"ホレタハレタ"

12. Oct, 2003







「惚れた」という表現がある。あるいは言葉が、概念が、ある。
これって、いい言葉だなぁと思う。
好きでも愛してるでもなく、ただ惚れた、と。
参りました。ごめんね。惚れちゃいました。
なにかそういう、力の抜けたすがすがしさのようなものを表している気がする。

ちなみに辞書を引いてみると、

1. ほれこ・む 「惚(れ)込む」:
すっかり気に入って、あの人(物)でなくてはと思う。

2. ほれほれ 「惚(れ)惚(れ)」:
そのものの・よさ(美しさ)が、それを見聞きする相手の心をすっかりとらえることを表す。

3. ほ・れる 「惚れる」:
たまらなくそのものが好きになって、他の存在など忘れてしまう。

となっている。【三省堂 新明解 国語辞典 第四版】

さらにちなみに、愛のほうはどうかというと

あい 「愛」:
1.かけがえの無いものとして、大事に扱う。
2.有用のものとして、手放すまいとする。
3.自分の好みに合ったものとして、深い興味を持つ。
あるいは、
*.個人の立場や利害にとらわれず、広く身のまわりのものすべての存在価値を認め、最大限に尊重して行きたいと願う、人間本来の暖かな心情。

とある。(出典同上)

そういえばとある本で読んだ記憶があるのだが、愛という言葉、概念は、明治時代に西洋から輸入された思想であって、当時の日本人には馴染みがなかったとかいうことらしい。
詳しくは知らない(調べてない)が、昔は(西洋で言うところの?)愛というものは日本にはなかったのだろうか。もちろん、日本人がそれに対応するような心や感覚を持ったいただろう、とは何となく思うが。

今の日本人に、愛ってなんですか?と聞いたら、どのくらいの答えがどういう按配で返ってくるのだろうか。
ぜひ、”クイズ百人に聞きました”みたいにやって欲しいなぁ。おもしろいネタ回答が聞けそうだし(笑



まぁ、いずれにせよ。
個人的にすごくしっくりくる言葉なのだ。相手が人にしても、人や自然の生み出した作品にしても、あるいは科学的な観測データにしても。
惚れたよ。いいねぇ、それ。
と。

いいなぁ、と思うのだ。

まぁ他愛のない戯言である。





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