<人間のオトモダチ・あるいは謎の珍獣>


・・・・昔々、あるところに白と黒でできた動物たちがいました。
彼らは世界の中心たることを謳う中華の国に生息しており、歴史の中で地球上の色々な国々に出張っていきました・・・

と、いうわけで。パンダというやつらは、どうやらそれなりに珍獣だそうです。
1万年程前の地層から(?)パンダの祖先と思われる化石が、また2千年ほど前の地層から(?)現在のと同じパンダの化石が、ともに中国で発見されたそうです。ちなみに発見されたのは1981年、82年だとか。・・・めっちゃ最近ぢゃないか。。

で、パンダに関する発見は、1869年にフランス人宣教師のペレ・アルマン・なんたら神父によって発見されたのが最初だとか。今(2003年)からおよそ100年ちょっと前、というところでしょうか。日本ではちょうど明治維新の頃ですね。

ともかく、かなり最近に発見された動物と言える訳で、上野動物園で愛嬌振りまきつつ目の奥に腹黒さを醸し出している場合ではないぞ、というわけです。いえ、別にいいですが。
ちなみに上野動物園に=日本に初めてやって来たパンダはカンカン(オス2歳)、ランラン(メス4歳)で、1972年のことらしいです。まぁ、自分の生まれる前のことなぞ知ったことではないのですが。いえ、嘘です。ごめんなさい。




そこで、最近になって発見された驚くべきパンダの生態に関する報告をここに紹介することに致しました。
なお、情報のソースは守秘義務に従って明かすことは出来ませんのであしからず・・・。






Fig.1           Fig.2


[解説]:
Fig.1は、とある民家で目撃されたシーンである。PCに興味を示しているように見える。
周りの人間が「どうやってキーボード叩くンだよ」と突っ込んでみたそうだが、あまりに無言で無反応だったため逆に謝ってしまったそうである。まぁ要するに、黙殺されたようだ。
この家の住民たちが語ったところによると、なかなかモニタの前から離れてくれず、しばらくPCを使うことが出来なくて往生した、ということである。

Fig.2は、同じ民家で目撃されたシーンで、どうやらTVを見ているようである。調べによるとこのときTVでは某サッカー日本代表の国際試合が終了した直後であったらしく、試合の結果は引き分けであったということである。
一見、勝てなかったどちらかのチームの為に肩を落としているようでもあるのだが、ある目撃情報によって、「試合中は特にどちらのチームに肩入れしていたようにも見えず、単に騒ぎすぎて観戦疲れしていた様だ」との見方が濃厚となっている。

ちなみに、この試合で乱闘騒ぎが起こったということもなく、野生の血を騒がす機会を失って失望しているのだ、との見方も出ていることを付け加えておく。



Fig.3


[解説]:
Fig.3は、上記Fig.1,2が目撃されて程なく撮られた写真である。
驚くべきことに、新聞を読んでいる。Fig.1,2が明らかに人為的な匂いの漂う構図であり、また恣意的な解釈が成されがちであるのに対し、このFig.3はそういう意味では他から飛びぬけている。
すなわち、彼(あるいは彼女)は自らの意思によって、人間どもの読む新聞というものを手にとったのである。さらに、上の2図にはない情報が伺える:彼(彼女)は、おそらく人語を理解する。少なくとも、文字を読み認識することが可能であると思われる。
新聞を正しい向きに持って、まるで通勤電車内のオジさんの如くきちんと折りたたんで読んでいるのが分かる。これは、驚異的な事実である。
この、いつもご苦労様ですなオジさん的印象と相まって、丸い背中に哀愁を誘われる人も、少なくはないだろう。






・・・なんとなく人類のお友達気分をまとっているパンダですが、意外と性根は腐っているかもしれません。
妙な錯覚を起こしている人間たちを、あざ笑っているかもしれません。
何も考えていないかもしれません。
ともかく、オーストラリアに行ってもコアラが見られるわけでないのと同様、中国に行ったからといって必ずしもパンダに会えるとは限りません。
上野動物園に、ご家族揃って行ってらっしゃいませ。

それなりに感動するかも、知れません。
黒光りする目に睨みつけられてすくみ上がってしまうかも、知れませんが。



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